2026-07-15 ・ 約6分で読めます
「懲戒解雇にするぞ」は脅し?退職代行で辞めるときの懲戒リスクの実際
「そんな辞め方をするなら懲戒解雇にする」「経歴に傷をつけてやる」——退職の場面で飛び出す脅し文句の中でも、懲戒解雇は特に効く言葉です。転職への影響を想像して、退職自体を諦めてしまう人もいます。
しかし結論として、退職を申し出たことや退職代行を使ったことを理由に懲戒解雇にすることはできません。なぜ「できない」と言い切れるのか、法律の仕組みから解説します。
懲戒解雇は「会社が怒ったらできる」ものではない
懲戒解雇は労働者に対する処分の中で最も重いもので、有効となる要件は厳格です。①就業規則に懲戒事由が明記されていること、②その事由に客観的に該当する重大な非違行為(横領、重大な経歴詐称、長期の無断欠勤など)があること、③処分が社会通念上相当であること(労働契約法15条)——これらをすべて満たす必要があります。
適法な手続きを踏んだ退職の申し出は、労働者の権利の行使であって非違行為ではありません。退職代行という「伝え方」も同様です。権利行使への報復として懲戒処分を行えば、その処分自体が無効と判断されます。
「退職金を没収する」「離職票に書く」への反論
セットで出てくる脅しにも、それぞれ答えがあります。「懲戒解雇にして退職金を没収する」——退職金の不支給・減額は、就業規則に規定があり、かつ長年の功労を打ち消すほどの重大な背信行為がある場合に限って認められるのが判例の立場です。普通に退職する人には当てはまりません。
「離職票に懲戒解雇と書いて転職できなくしてやる」——離職票の離職理由に異議がある場合、ハローワークに申し立てて訂正を求めることができます。事実に反する記載をしても会社側が得をすることはなく、実際にここまでやる会社はほとんどありません。
そして重要なのは、これらの脅しが録音やメッセージで残っていれば、それ自体が退職妨害・パワハラの証拠になるということです。脅されたら、怯える前に記録してください。
脅し文句が出た時点で、選ぶべき運営元は決まる
「懲戒解雇にするぞ」という言葉が実際に出ている職場との交渉は、もはや通常の退職手続きではありません。仮に会社が本当に懲戒処分や退職金不支給を強行してきた場合、その無効を争うのは法的措置の領域であり、対応できるのは弁護士だけです。
脅しが出ている・出そうな状況なら、最初から弁護士運営の退職代行を選んでください。「弁護士が代理人に付いた」という事実だけで、脅しが止まるケースは少なくありません。脅しは、反撃されない相手にしか機能しないからです。
まとめ
退職の申し出や退職代行の利用は懲戒事由になり得ず、「懲戒解雇にするぞ」の大半は法的裏付けのない脅しです。ただし脅しが出る職場は例外的な対応をしてくる可能性があるため、記録を残し、弁護士系の代行を選ぶのが確実です。
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