2026-07-06 ・ 約6分で読めます
退職代行を使うと訴えられる?損害賠償リスクの実際と、例外的に危ないケース
「今辞めたら損害賠償を請求するからな」——ブラック企業の常套句です。この一言で退職を諦めてしまう人が後を絶ちません。
しかし結論として、退職そのものを理由とした損害賠償請求が裁判で認められるケースは極めて稀です。憲法22条が職業選択の自由を保障しており、「辞めること」自体を損害とする主張は基本的に通らないからです。
なぜ「辞めたら訴える」は脅しにすぎないのか
会社が労働者に損害賠償を請求するには、①労働者に法的な義務違反があり、②それによって具体的な損害が発生し、③その因果関係を会社側が立証する必要があります。適法な手続き(2週間前の申し入れ)を踏んだ退職には義務違反がなく、そもそも①の段階で成立しません。
さらに、仮に急な退職で業務に支障が出たとしても、それは人員配置の余裕を持たせていなかった会社側の経営リスクと評価されるのが一般的です。「あなたが辞めたせいで売上が落ちた」という主張の立証は、現実にはほぼ不可能です。
例外的に注意が必要な3つのケース
ただし、次のケースでは実際に法的トラブルへ発展する可能性があります。①会社から貸与された物品や貸付金(奨学金型の資格取得費用など)を返還していない、②競業避止や秘密保持に関する明確な契約違反がある、③無断欠勤のまま連絡を絶ち、引き継ぎ資料も残さず重大な損害を生じさせた場合です。
また、公務員は民法ではなく国家公務員法・地方公務員法が適用されるため、民間の退職代行では対応できず、弁護士への依頼が必要です。
これらに心当たりがある場合、民間業者や労働組合では対応の範囲を超えるため、最初から弁護士運営の退職代行を選ぶべきです。弁護士であれば、万一請求された場合の反論や、逆にこちらからの未払い賃金請求まで一貫して任せられます。
「脅され続けている」こと自体が、代行を使うべきサイン
損害賠償をちらつかせて退職を妨害する行為は、それ自体が問題のある対応です。そうした会社と本人が直接やり取りを続けるのはまさに避けるべき状況であり、第三者を間に入れる価値が最も高いケースと言えます。
まとめ
「訴えるぞ」の大半は法的根拠のない引き止めです。ただし貸与物・契約違反・公務員という例外に該当するなら弁護士一択。自分がどちらに該当するかは、診断で60秒で確認できます。