2026-07-07 ・ 約6分で読めます
未払い給与・残業代・退職金は退職代行で請求できる?運営元別の対応範囲
サービス残業が常態化している会社を辞めるとき、「どうせ辞めるなら、未払いの残業代も取り返したい」と考えるのは当然です。数年分の未払い残業代は、数十万〜百万円単位になることも珍しくありません。
ただし、退職代行なら何でも請求してくれるわけではありません。「請求」は法律事務であり、対応できる運営元が明確に限られています。
「請求」ができるのは弁護士だけ——運営元別の対応範囲
未払い賃金の請求への対応は、運営元で明確に分かれます。民間業者は「未払いがあるようです」と伝えることしかできず、金額の主張や支払いの要求はできません。労働組合は団体交渉として支払いを求める話し合いは可能ですが、会社が拒否した場合に訴訟へ進むことはできません。弁護士は、内容証明郵便(送った内容を郵便局が証明してくれる、正式な請求の手段)から労働審判・訴訟まで、回収の全プロセスを代理できます。
つまり、確実に取り返したい金額があるなら最初から弁護士に依頼するのが最短です。弁護士費用は着手金5万円前後+回収額の20〜30%程度の成功報酬が相場ですが、未払いが数十万円規模なら十分に費用対効果が成り立ちます。
退職前にやるべき証拠集め
未払い残業代の請求で最も重要なのは証拠です。退職して社内システムにアクセスできなくなる前に、①タイムカードや勤怠システムの記録(スクリーンショット可)、②シフト表、③給与明細(できれば全期間分)、④雇用契約書・就業規則、⑤実労働時間が分かる補助資料(業務メールの送信時刻、PCのログ、日報など)を確保してください。
証拠が不完全でも諦める必要はありません。労働時間の立証は複数の間接証拠の積み重ねでも可能で、何が使えるかは弁護士が判断してくれます。まずは手元にあるものを揃えて相談しましょう。
注意点として、賃金請求権の時効は3年です(2026年7月現在)。在職が長い人ほど、過去の未払い分が時効で消えていきます。「いつか請求しよう」の先延ばしは、そのまま金額の目減りを意味します。
退職金・最後の給与が支払われない場合
「退職代行で辞めた者に退職金は払わない」という会社の主張に、法的根拠はありません。就業規則や退職金規程に支給条件が定められていれば、退職金は給与と同じ「働いた対価として支払い義務のあるお金」です。退職の方法が気に入らないという理由で、会社が勝手に不支給にすることはできません。
同様に、最後の月の給与を「貸与物を返すまで払わない」「損害があったから差し引く」として支払わないのも違法です。給与は全額支払わなければならないと法律で決まっているからです(労働基準法24条・賃金全額払いの原則)。もし支払われなければ、労働基準監督署への申告や弁護士経由の請求で対応できます。こうした対応をちらつかせる会社だと分かっているなら、最初から弁護士運営のサービスを選んでおくのが確実です。
まとめ
未払い賃金の回収まで見据えるなら、選択肢は実質的に弁護士一択です。逆に「請求したいものは特にない」なら、高い弁護士費用を払う必要はありません。この線引きが、退職代行選びで最も金額に直結する判断です。
請求の有無を含めた最適な運営元は、60秒診断で判定できます。時効は進んでいます——証拠の確保だけは今日やっておいてください。